【Bookレビュー】千葉敦子さん「ニューヨークの24時間」「寄りかかっては生きられない」

こんにちは、himeです。
ここ最近は、千葉敦子さんの本を何冊か読んでいます。

千葉 敦子(ちば あつこ、1940年11月6日 – 1987年7月9日)は、日本のジャーナリスト、ノンフィクションライター。

Wikipedia

読み始めたきっかけはVoicyでフォローしている女性パーソナリティの方が何人か、こちらの本を紹介していたから。千葉さんは何冊も本を書かれているのですが、まず「ニューヨークの24時間」から読み始めてみました。

文春文庫 ニューヨークの24時間
ワープロは必需品、留守番電話は秘書代わり、掃除をしながらラジオのニュースを聞き、洗擢の合間に短い原稿を書き、週に一度は音楽会や芝居に出かける。限りある人生をかいに時間管理し、工夫し、充実させ、楽しむべきか―。忙しい人や忙しがっている人たちにとても役立つフリージャーナリストの生活術。

千葉さんは41歳の時に乳がんの初めての手術を受け、その後再発。再発した後に、ニューヨークに単身で転居。その後、ガンが再々発し47歳で亡くなりました。現在(2023年)ご存命でしたら83歳です。

本の内容が、今読んでも全然古臭くなくて驚きました。
・日米のIT格差はこの本が書かれた1986年(37年前)から変わっていない。
・リモートワーク、ホーム・オフィスはアメリカでは当時から広がりつつあった。(日本ではコロナ禍で初めて本格的に普及)
・時間管理の重要性についてアメリカではかなり昔から話題になっており、それに関する書籍が多数出版されていた
など。日本でようやく一般的に話題になりつつあるテーマが、アメリカでは40年近く前から普通になっているんだと思いました。

個人としての生き方についても、千葉さんははっきりとした自分の考えを持っていて、自分の幸せが何かを常に追究していました。だからこそ、ガンが再発した後にニューヨークに転居したんです。再発により残された時間を意識したことで、やりたいことをやろうという強い意志をお持ちでした。

自分にとっての「豊かな暮らし」の要素も明確にわかっており、本当に価値のあるものはお金では買えないものであるということも書かれています。

他にもデータベースの活用方法、整理術、図書館、旅支度などいろいろなテーマについてお考えを書かれていて、どの部分を読んでも面白く一気に読みました。

「ニューヨークの24時間」の後に読んだ本は、
・昨日と違う今日を生きる
・若いあなたへ!
・寄りかかっては生きられない
の3冊です。

文春文庫 寄りかかっては生きられない―男と女のパートナーシップ
男が本当に幸福でなければ女は幸福になれず、女が不幸な状態に置かれ続ける限り男も真に幸福になれません。たとえ男が従順な女中役を務めてきた女を失い、女が三食昼寝つきの安楽さを失うとしても、男女の新しい関係がもっと人間らしく愛に満ち、そして自由なものであるためにどうあったらいいかを考えてみたい。

「寄りかかっては生きられない」の前半は、元NHKアナウンサーの鈴木健二さんが書かれた「気配りのすすめ」に対する酷評(笑)。私が子供のころにベストセラーになった本です。私もタイトルだけは覚えていましたが、読んだことはありませんでしたが、千葉さんの酷評(笑)を読んで、「えぇ、気配りのすすめって、そんな本だったんだ」と驚くとともに、呆れました。しかし、時代もあるし、鈴木さんのような考え(いわゆる男尊女卑的な考えといってよいのかな?)を持っていた日本人男性は多数(というかほとんど?)いたでしょうし、そのような考えに違和感を持つ女性も少なかった時代だと思いますので、少し鈴木さんが可哀そうな気もしました。鈴木さん以外にも実名を挙げて、批判されている日本人男性が多数登場します。

後半の第4、第5章は女性たちへのメッセージが主体。女性たちに対して、受け身になるのではなく、粘り強く自分の望みを勝ち取るよう行動することが必要である、と働きかけています。千葉さんが就職活動をしていた時、求人広告に「男性募集」とあっても、自分がやりたい仕事であれば応募したそうです。たくましいです。とりあえず、言ってみる、やってみる、それでダメなら次の手を考える、ということが必要ですね。大人しくしていたら、欲しいものは手に入らない!!言ってみてダメでも何も恥ずかしいことは無いんですよね。

千葉さんは独身でした。結婚しない男女が増えていることについて、自論を展開されています。私も現在独身ですが、千葉さんの考え方にすごく納得。はっきりとした物言いが痛快。「夫婦という排他的な関係を想定するから相手にとんでもない期待をかけて裏切られたり、相手の期待に添えなくて自信を失う」という部分は、思わず「そうそう、その通り!」と声が出ました。

独身であることを活かした生き方をするということも書いてあり、千葉さんは10年働いたら2年留学とか、海外移住とか、単身のメリットを活かして行動していました。
それを読んで「自分も独身だけど、独身のメリットを活かせているかな?」と自答しました。

他には「仕事を持ちたい専業主婦のために」という章もあり、今よりも専業主婦の割合が多い当時に書かれた内容ではありますが、現代でも、今の仕事ではなく新しい仕事をしたいと思っている人や、副業として何かやりたいな、と思っている人にも参考になる内容だと思います。

日本では数年前から広まってきた「ウェルビーング」という単語も出てきて、またまた「日本って遅れてる……」と痛感。しかし、インターネットが普及した現代でも、おそらく、海外では当たり前になっていることが、日本だと全然知られていない、ということはたくさんあると思います。幸か不幸か日本の中にだけ目を向けていても幸せに暮らせてしまえる国だし、英語と日本語という言語の壁もありますし。

とにかく、千葉敦子さんの本はとても面白くて、他の本も読み進めたいと思っています。
今回紹介した2冊とも、新品の本は入手できない状態なので、私は図書館で借りました。
できれば手元に置いておいて、時たま読み返したいなぁと思う1冊でした。
新しく発刊されないかなぁ……。


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